元・訪問介護事業所経営者が語る、現場のホンネ

退職代行とは|費用・弁護士と労働組合の違い・選び方を解説

退職代行とは|費用・弁護士と労働組合の違い・選び方を解説

「もう出社したくない」「でも、自分で辞めると言い出せない」——そんなとき、会社に連絡せずに退職の手続きを進められる退職代行というサービスがあります。この記事では、費用の相場や、運営形態(弁護士・労働組合・民間企業)による違い、雇用形態別に使えるかどうかまで、依頼前に知っておきたいことを整理しました。

退職代行とは|どんなことをしてくれるサービスか

退職代行とは、本人に代わって、退職の意思を会社に伝えるサービスです。電話やメールで直接上司とやり取りすることなく、依頼したその日のうちに、会社への連絡を代行してもらえます。

会社に連絡せず辞められる仕組み

依頼後は、退職代行の担当者が会社の窓口(人事担当・上司など)に連絡し、退職の意思を伝えます。以降のやり取りも、基本的に本人ではなく退職代行側が窓口となるため、本人が直接、会社と連絡を取る必要はありません。

一般的な依頼から退職までの流れ

1. 相談・申し込み
LINEや電話、Webフォームから申し込み、状況をヒアリングしてもらう
2. 会社への連絡
退職代行側が会社へ退職の意思を伝える
3. 貸与品の返却・書類のやり取り
郵送でのやり取りが一般的で、直接の出社は不要な場合が多い

具体的な流れは業者ごとに異なります。申し込み前に、貸与品の返却方法や、退職完了までの目安期間を確認しておくと安心です。

退職代行の費用相場|運営形態によって価格が違う理由

退職代行の費用は、運営している主体(弁護士・労働組合・民間企業)によって、相場が大きく異なります。この価格差には、後述する「対応できる業務範囲」の違いという、明確な理由があります。

弁護士運営
一般的に5万円前後〜が目安。未払い賃金の請求や訴訟対応まで依頼できる分、費用は高めになる傾向
労働組合・民間企業運営
2〜3万円台が目安。ただし対応できる範囲には違いがある(次章で解説)

弁護士・労働組合・民間企業、何が違うのか

退職代行を選ぶ上で、最も重要なのがこの違いです。「安いから」という理由だけで選ぶと、本来交渉してほしかった内容に対応してもらえない、というミスマッチが起こることがあります。

民間企業は「交渉」ができない

弁護士資格も労働組合としての実体も持たない民間企業が、会社側と退職条件などを「交渉」することは、弁護士法上の「非弁行為」にあたり、法律で認められていません。民間企業が行えるのは、あくまで「退職の意思を伝える」ことまでです。有給消化や退職日の調整を「交渉」してもらうことはできない、という点を理解しておく必要があります。

労働組合は団体交渉権で有給消化等の交渉が可能

一方、労働組合は、労働組合法に基づく団体交渉権を根拠に、有給消化や退職日の調整などを、会社側と合法的に交渉できます。弁護士運営より費用を抑えつつ、単なる連絡代行以上のサポートを受けたい方に向いている選択肢です。

ただし、退職代行業務のためだけに作られ、労働組合としての実体が伴っていない「名ばかり組合」も存在すると指摘されています。運営元が労働組合であることが明確に説明されているかどうかは、依頼前に確認しておきたいポイントです。

弁護士は未払い賃金・損害賠償・訴訟対応まで可能

弁護士運営の退職代行では、有給消化や退職条件の交渉に加えて、未払い残業代の請求、会社から損害賠償を請求された場合の対応、万が一の訴訟対応まで、一貫して依頼できます。費用は高めですが、法的なトラブルに発展する可能性がある場合は、最も安心できる選択肢です。

バイト・契約社員・公務員でも使えるのか

退職代行は、正社員に限らず、契約社員・派遣社員・アルバイト・パートなど、幅広い雇用形態に対応している業者が多くあります。

公務員特有の注意点

公務員は、民間企業とは異なる法律(国家公務員法・地方公務員法)に基づいて任用されているため、すべての退職代行業者が対応しているとは限りません。依頼前に、公務員への対応実績があるかどうかを必ず確認してください。

利用前に気になること

会社から直接連絡は来るのか

退職代行に依頼すると、以降の窓口は退職代行側になるため、会社からの連絡は、基本的に退職代行の担当者宛てに来るよう調整されます。ただし、業者によって対応の徹底度は異なるため、この点も事前に確認しておくと安心です。

依頼した後、どうなるのか

退職の意思が会社に伝わった後は、貸与品の返却や、離職票などの必要書類のやり取りが、主に郵送で進みます。退職日や有給消化の可否は、依頼した業者の運営形態(前述)によって、対応できる範囲が変わります。

結局どこに依頼すればいいか|状況別の選び方

とにかく早く・安く辞めたい人

単純に「退職の意思を伝えてほしいだけ」という場合は、民間企業運営の退職代行でも対応できます。ただし、有給消化や退職日の調整が必要な場合は、次の労働組合運営を検討してください。

有給消化や退職条件の交渉までしたい人

有給消化の交渉までお願いしたい場合は、労働組合が運営する退職代行が向いています。合同労働組合「toNEXTユニオン」が運営する退職代行は、女性向け・男性向けそれぞれ専門のサービスを展開しています。

※運営元は合同労働組合「toNEXTユニオン」です。退職のご相談自体は無料で、正式依頼後に会社への連絡を代行してもらえます。

法的なトラブルに発展する可能性がある人

未払いの残業代がある、会社から損害賠償を請求される可能性がある、退職を拒否され続けているなど、法的な交渉力が必要な場合は、弁護士が運営する退職代行を選ぶことをおすすめします。

※弁護士法人が運営する退職代行サービスです。未払い賃金の請求や損害賠償への対応など、法的な交渉が必要な場合にも一貫して依頼できます。

まとめ

退職代行は、「安さ」だけで選ぶと、本来必要だった交渉に対応してもらえないことがあります。単に退職を伝えるだけでいいのか、有給消化の交渉が必要なのか、法的なトラブルに発展する可能性があるのか——ご自身の状況を整理した上で、弁護士・労働組合・民間企業のどの運営形態が合っているかを判断してください。

円満に退職を進めるための引き継ぎ・有給消化の伝え方については、以下の記事もあわせてご覧ください。

※当サイトでは、商品・サービスの紹介にアフィリエイト広告を利用しています。

この記事をシェアする