介護業界は、年齢を問わず活躍できる業界です
「もう60代だけど、介護職への転職は現実的だろうか」——そう感じている方は少なくないと思います。結論からお伝えすると、介護業界は、他の多くの業界と比べても、年齢を問わず働きやすい業界です。
公益財団法人介護労働安定センターの調査(令和7年度介護労働実態調査結果)によると、介護職員・訪問介護員ともに、最も多い年齢層は50〜54歳です。そして、60代・70代以上で働いている方は、合計で2割程度を占めています。介護業界の慢性的な人手不足を背景に、年齢だけを理由に採用の対象から外れることは、他業界に比べて少ないのが実情です。
実際にあった採用のケース
私自身、大阪・東京それぞれで採用に関わってきましたが、シニア世代の採用実績は決して珍しいものではありませんでした。
神野司
このように、年齢が高くても、業務内容を絞ることで活躍できる場合があります。面接の際には、体力面の不安を正直に伝え、「どんな業務内容なら任せてもらえるか」を具体的に相談してみることをおすすめします。柔軟に対応してくれる事業所かどうかも、その受け答えから見えてくるはずです。
応募先の年齢条件は、事前に確認を
年齢を問わず採用されやすい業界とはいえ、すべての求人が無条件というわけではありません。事業所によっては、深夜勤務がある求人で年齢の上限を設けていたり、逆に「60歳以上65歳未満」を対象にした雇用助成金の枠を活用した求人があったりと、条件は求人ごとに異なります。応募の前に、年齢条件が明記されているかを必ず確認しておきましょう。
シニア世代ならではの強み
年齢を重ねていることは、決してハンデではありません。むしろ、介護の現場では強みになる場面が多くあります。
利用者ご本人と年齢が近いことで会話が弾みやすいだけでなく、利用者のご家族(多くは40代〜60代)と同世代であることも、大きな強みです。「利用者様とも、ご家族とも、両方と話が合う」——これは、シニア世代ならではの、若い世代にはない価値だと感じています。
キャリアの終盤で、介護職を選ぶ理由
これまで、シニア世代で介護職への転職を選んだ方から聞いてきた動機の中で、特に印象に残っているのは「人の役に立ちたい」という思いと、「自分自身の親の介護に活かしたい」という思いです。長年のキャリアの終盤で、それまでの人生経験を、誰かの役に立つ形にしたいと考える方は少なくありません。
キャリアの終盤設計として介護職を選ぶことは、単なる「再就職先」ではなく、これまでの経験を活かしながら、社会とのつながりを持ち続ける選択肢でもあります。
年代別の転職事情については、以下の記事もあわせてご覧ください。
まとめ
介護業界は、慢性的な人手不足を背景に、年齢を問わず活躍できる業界です。体力面の不安があっても、業務内容の調整によって働き続けられるケースは少なくありません。ご自身の体力や希望を正直に伝え、柔軟に対応してくれる事業所を探すことが、後悔のない転職につながります。
- 執筆者
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神野司(かみの つかさ)
大阪で訪問介護事業所を13年間経営。2018〜2022年は東京の高齢者デイサービス代表も兼任し、大阪・東京両方で採用面接を50例以上経験。
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