20代・30代の転職で、見落とされがちな「もう一つの評価軸」
若手が介護職への転職を考えるとき、多くの記事では「志望動機の伝え方」が語られます。ただ、実際の採用の現場では、志望動機と同じくらい、あるいはそれ以上に見られているポイントがあります。それが、資格取得の順番、転職回数、そしてキャリアパスの描き方です。
訪問介護には、無資格では働けないという制度上の壁がある
まず知っておいていただきたいのが、訪問介護は、原則として資格を持っている人しか従事できないという制度上の壁があることです。施設介護であれば無資格・未経験からスタートできる求人も多くありますが、訪問介護を志望する場合は、まず資格取得が前提になります。
私自身、採用の場面で無資格の応募者と出会った際は、その場で採用するのではなく、まず資格を取得してから応募していただくよう案内することが基本でした。これは、応募者を突き放しているわけではなく、制度上、そうせざるを得ない構造があるためです。
転職回数は、「回数」ではなく「文脈」で見られる
「転職回数が多いと不利になるのでは」と不安に思う方は多いと思います。ただ、実際に採用に関わってきた経験から言えるのは、回数そのものより、その中身(文脈)の方がずっと重要だということです。
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神野司
2年ごとに介護業界の中で転職を繰り返しているケースは、正直、マイナスに評価してしまうことが多かったです。一方で、転職回数自体は多くても、そのうちの転職が異業種からのものであれば、むしろプラスに捉えていました。介護業界の中だけで短いスパンの転職を重ねているかどうかが、一つの判断材料になっていたと思います。
つまり、「転職回数が多い=不利」と単純に捉える必要はありません。異業種から介護業界への転職であれば、その経験自体が強みになる場合も十分にあります。
資格取得のタイミングを、支援制度と組み合わせて考える
資格取得のタイミングは、事業所によって支援の形が異なります。私が関わった事業所では、以下のような支援を行っていました。
- 大阪:初任者研修を修了した職員が、実務者研修を経て介護福祉士を取得するまでの受講料を、事業所が全額負担
- 東京:無資格の方が、介護施設で働きながら初任者研修等の資格取得を支援
このように、「今は無資格だから」とあきらめる必要はなく、資格取得を支援してくれる事業所を選ぶことで、キャリアの入り口を確保しながらステップアップしていく道もあります。応募の際は、資格取得支援の有無だけでなく、「どの段階の資格取得を支援してもらえるのか」まで確認してみることをおすすめします。
資格取得の順番と、3つのキャリアルート
介護の資格は、一般的に「介護職員初任者研修(約130時間)→介護福祉士実務者研修(約450時間)→介護福祉士(国家資格)」という順番でステップアップしていきます。介護福祉士を取得した後は、大きく分けて3つのキャリアルートがあるとされています。
- 専門職ルート:現場の介護技術を極め、認定介護福祉士等、より専門性の高い資格を目指す道
- マネジメントルート:フロア・ユニットリーダーから主任、施設長へと、管理職としてキャリアを積む道
- 相談・教育ルート:ケアマネジャー(介護支援専門員)など、相談援助や教育に関わる専門職を目指す道
20代・30代のうちに、自分がどのルートに向いているかをぼんやりとでも意識しておくと、資格取得の優先順位や、事業所選びの軸が定まりやすくなります。
若手だからこそ意識したいキャリアの築き方
20代・30代のうちに介護職に転職する場合、単に「今の仕事」だけでなく、その先のキャリアパスまで見据えて動くことが、長期的には大きな差になります。資格取得の順番(初任者研修→実務者研修→介護福祉士、その先のケアマネジャーや管理職といった選択肢)を意識しながら、事業所選びをしてみてください。
年代別の転職事情については、以下の記事もあわせてご覧ください。

60代からの介護転職|年齢を問わず活躍できる理由
carejoblink.com
まとめ
20代・30代の介護職転職では、志望動機の語り方だけでなく、資格取得の順番、転職回数の文脈、キャリアパスの描き方が見られています。特に、訪問介護を目指す場合は資格取得が前提になること、転職回数は「回数」より「中身」で評価されることを押さえておくと、面接での伝え方も変わってくるはずです。
資格を条件に正社員求人を探したい方は、資格を活かせる転職サイト「介護JJ」についての記事はこちら。
- 執筆者
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神野司(かみの つかさ)
大阪で訪問介護事業所を13年間経営。2018〜2022年は東京の高齢者デイサービス代表も兼任し、大阪・東京両方で採用面接を50例以上経験。
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