「辞めるべきか、続けるべきか」に、唯一の正解はない
辞めるか続けるかは、辞めたい原因が今の職場の中で解決できるかどうかで考えます。職場の中で解決できるなら続ける道があり、働き方そのものが合わないなら、業態を変える転職が解決につながりやすくなります。
まず、「なぜモヤモヤしているのか」を言葉にする
最初にやることは、辞めたい理由を具体的な言葉にすることです。理由があいまいなまま判断すると、次の職場でも同じ理由でまた悩むことになりかねません。
これまでの記事でお伝えしてきたように、介護職の「辞めたい」という気持ちの背景には、いくつかの典型的なパターンがあります。
- シフトの不満(勤務表の組み方、急な欠員対応、希望休の通りやすさ等)が積み重なっている(シフトの不満と人間関係)
- 人間関係(利用者との相性、職場内の調整役ゆえの難しさ等)に消耗している
- 時間感覚の違い(訪問介護と施設介護、それぞれのペースへの向き不向き)が合っていない(訪問介護と施設介護の違い)
- 給与や処遇に対して、頑張りが正当に反映されていないと感じている
ご自身の「辞めたい」が、この中のどれに近いかを整理するだけでも、次に取るべき行動が見えてくることがあります。以下のチェックリストも、整理の参考にしてみてください。
- 不満の原因は、「事業所固有の問題」か、それとも「働き方そのものの性質」か
- これまでに、その不満を事業所に率直に伝えたことがあるか
- 同じ不満を、これまでの職場でも繰り返し感じてきたか、今回が初めてか
- 「辞めたい」と「疲れている」を、混同していないか(一時的な疲労なら、休養で改善する場合もある)
「辞める」以外の選択肢を、先に検討する
辞める前に、その原因が今の職場の中で解決できるかを確かめます。シフトの不満なら事業所への相談、人間関係の難しさなら担当の見直しの申し出で、改善することもあります。
神野司
一方で、時間感覚の違い(訪問介護と施設介護のペースの違い等)のように、働き方そのものの性質に起因する場合は、同じ職場内での調整では解決しにくいこともあります。この場合は、業態を変える転職の方が、根本的な解決につながりやすいと言えます。
それでも「続ける」を選ぶという判断
辞めることだけが前向きな選択とは限りません。原因を整理した結果、「今の職場でもう少し様子を見てみよう」という判断も、立派な一つの結論です。大切なのは、感情的な勢いで動くのではなく、何を変えれば納得できるのかを、自分の中で明確にした上で判断することです。
「辞める」を選ぶ場合、次の職場選びで意識したいこと
次の職場は、辞めたい理由がなくなる条件で選ぶことが大切です。整理した結果、転職を選ぶ場合は、同じ理由で再び悩むことがないよう、次の職場選びの基準に反映させてください。面接や求人票の段階で、シフトの運用実態、資格取得支援の有無、給与体系の透明性などを具体的に確認しておくことで、入職後のミスマッチを減らせます。
資格取得の支援がある職場の見分け方は「資格取得支援制度あり」の求人票の見極め方、求人の探し方は介護求人を探すで紹介しています。
まとめ
「辞めるべきか、続けるべきか」に、万人に共通する正解はありません。大切なのは、モヤモヤの正体を具体的に言葉にし、「辞める以外の選択肢」も含めて検討した上で、自分自身が納得できる判断をすることです。この記事が、立ち止まって考えるための一つの手がかりになれば幸いです。
- 執筆者
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神野司(かみの つかさ)
大阪で訪問介護事業所を13年間経営。2018〜2022年は東京の高齢者デイサービス代表も兼任し、大阪・東京両方で採用面接を50例以上経験。
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