元・訪問介護事業所経営者が語る、現場のホンネ

大阪で介護職の転職を考えている人が知っておきたいこと

大阪で介護職の転職を考えている人が知っておきたいこと

「大阪で介護職の転職を考えているけれど、地域ならではの事情はあるのか」
——そんな疑問に、実体験からお答えします。

私は大阪で13年間、訪問介護事業所を経営してきました。それに加えて、
2018年から2022年にかけては、東京の高齢者デイサービス(訪問介護・
デイサービス・ケアマネ業務)の代表も兼任
していました。大阪と
東京を行き来しながら、採用面接は合計50例ほど経験しています。

この記事では、大阪と東京、両方を見てきたからこそ分かる、
大阪の介護業界のリアル
をお伝えします。

大阪は「応募すら来ない」状況に変わってきている

人手不足自体は、大阪も東京も変わりません。ただし、
人口規模の違いにより、東京の方が
応募数は圧倒的に多い
というのが実感です。東京で50件近い面接が
できたのも、このためです。

一方、大阪は近年、募集をかけても応募すらないという
状況に変わってきています。2012年に私が事業所を立ち上げた当初は、
タウンワークのような求人媒体に出せば、数人の応募があった記憶がありますが、
今はそう簡単にはいきません。

給与水準は「東京の方が高い」が、体感差は小さい

東京の方が物価や土地代は圧倒的に高いですが、
介護職の給与水準そのものは、
思ったほど東京と大阪で差がないというのが実感です。

では、なぜ東京のヘルパーは生活していけるのか。それは、
東京は区によって生活水準の差が大きく、埼玉や千葉といった
近隣県から通勤する方も多いためだと感じています。「東京で働くこと」
自体が、一つのステータスになっている面もあるようです。

大阪市内と大阪府下、実は大差ない

「大阪市内の方が待遇が良いのでは」と思われがちですが、
大阪市内と大阪府下(郊外)で、人手不足や給与水準の傾向に
大きな差はない
というのが実感です。

これは事業所ごとの見せ方(基本給を高く手当を抑える、逆に基本給を
抑えて手当を厚くする等)による部分が大きく、一概にどちらのエリアが
良いとは言えません。求人を見る際は、基本給と手当の合計で判断することを
おすすめします。

大阪市の「移動支援」という仕事

大阪の介護業界を語る上で、触れておきたいサービスがあります。
「移動支援」
です。これは大阪に限らず、全国の自治体が実施している
制度(障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業)ですが、
単価は自治体ごとに異なり、
大阪市はその中でも高水準に設定されています。

また、大阪市には、障害程度区分に応じて、地下鉄・ニュートラム・
大阪シティバスの無料乗車証(または割引証)を交付する制度があります。
この乗車証と、タクシー利用のための
給付券は、どちらか一方を選ぶ仕組み
になっています。

こうした交通機関の助成制度は、大阪市に限らず、他の自治体にも
類似の仕組みがある場合があります。お住まいの自治体の制度と、
あわせて確認してみてください。

神野司

神野司

大阪市では、こうした制度もあって移動支援を頻繁に利用する障害者の方が
多く、仕事自体はあります。それなのに人手が足りないという、
矛盾した状況が生まれているのが実情です。

移動支援は時給こそ高くはありませんが、テーマパークなどへの外出に
同行するのが主な仕事です。未経験からヘルパーを始める方の、
「入り口」として機能している面がある
と感じています。

身体障がい者の移動支援には、大阪市独自の資格要件がある

ここは、意外と知られていない、大阪市ならではの注意点です。大阪市の公式
情報によると、知的障がい者・精神障がい者・障がい児の移動支援は、
一般的な初任者研修(旧ホームヘルパー2級相当)を修了していれば従事
できます。

ところが、身体障がい者(全身性障がい者・
盲ろう者を含む)の移動支援については、初任者研修だけでは従事できず、
大阪市が定めた専門の研修課程(全身性障がい者移動支援従業者養成研修課程等)
を別途修了している必要があります。

「介護の資格を持っているのに、なぜこの仕事はできないのか」と戸惑う方も
いらっしゃるかもしれません。転職・就業前に、担当したい対象者ごとに
必要な資格要件を、事業所に確認しておくことをおすすめします。

大阪・関西で転職を考えている方へ

こんな方は、一度「リニューケア」に登録してみるのも一つの方法です。

  • 大阪・兵庫・京都・奈良で働きたい方
  • 初任者研修・実務者研修・介護福祉士等の資格をお持ちの方

※関西圏に特化したエージェントのため、
対象エリア・資格をお持ちの方向けのご案内です。無資格の方・派遣での
就業を希望される方は、対象外となる場合があります。

※関西だけでなく、関東エリアも含めて複数のエージェントを比較したい場合は、
「リスジョブ介護」もあわせてご検討ください(東京・神奈川・埼玉・千葉・
大阪・兵庫が対象)。

見落とされがちな「移動手段」という条件

これは大阪に限った話ではありませんが、訪問ヘルパーの移動手段は、
自転車であることが少なくありません。今は電動自転車が
主流になっているので大きな問題にはなりにくいですが、
もし電動でない自転車での移動が
前提の求人であれば、坂道の多い地域は体力的にかなり不利になります。

実は、川沿いの地域は「平坦」というイメージを持たれがちですが、
橋を渡る機会が多く、かえって坂の上り下りが発生しやすい
という側面もあります。地形は思い込みで判断せず、実際に担当エリアを
確認することをおすすめします。

また、事業所によっては電動自転車を業務用として貸与
している場合があります。求人を見る際は、給与や仕事内容だけでなく、
担当エリアの地形や、移動手段(電動自転車の貸与があるか等)
まで確認しておくと、入職後のミスマッチを減らせます。

まとめ:大阪だからこそ、選び方に工夫が要る

応募が集まりにくくなっている今の大阪だからこそ、事業所を選ぶ側にも、
基本給と手当の内訳、必要な資格要件、担当エリアの地形や移動手段
まで見極める視点が大切になってきています。

地域の特性を理解した上で、転職活動を進めてみてください。

未経験からの転職については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

執筆者
神野司(かみの つかさ)
大阪で訪問介護事業所を13年間経営。2018〜2022年は東京の高齢者デイサービス代表も兼任し、大阪・東京両方で採用面接を50例以上経験。
詳しいプロフィールはこちら

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