元・訪問介護事業所経営者が語る、現場のホンネ

未経験から介護職へ|元経営者が語る、私自身の志望動機

未経験から介護職へ|元経営者が語る、私自身の志望動機

「未経験からの応募者は、志望動機で何を書けばいいのか分からない」

という相談を、これまで何度も受けてきました。

今回は、採用側としての視点だけでなく、私自身が未経験からこの業界に

飛び込んだときの話も交えてお伝えします。

私自身、未経験からこの業界に入りました

私が障害福祉の業界に入ったのは、30歳になる少し前でした。正社員ではなく、

フルタイムの登録ヘルパーからのスタートです。

それまでの私は、18歳の頃から「億万長者になる」という目標を持ち続けていました。

信用組合で融資担当として働いた後、居酒屋を開業しましたが、

どんぶり勘定の経営で2年で閉めることになりました。その後はフルタイムパートを

しながら競馬研究にのめり込みましたが、これもうまくいきませんでした。

「なぜこうもうまくいかないのか」を繰り返す中で、ある時気づいたことがあります。

うまくいかないのは、無いものばかりに気を

とられて、有るもののありがたさをないがしろにしていたからだと。

お金のために自己中心的に仕事をし、人のために仕事をしようとしていなかったのです。

そう気づいて、感謝しながら人のために働こうとしても、人間は忘れる生き物です。

長続きはしませんでした。そんな時、障害者の訪問介護という仕事があることを知りました。

神野司

神野司

内容を調べていくと、障がいのある方の日常生活を支援する仕事だと分かりました。

五体満足でない方のお手伝いをする仕事に就けば、自分が今こうして五体満足で

生かされていることへの感謝を、忘れることはないだろうと思ったんです。

私の志望動機は、「感謝の気持ちを常に忘れない仕事に就きたかったから」でした。

今振り返ると、あの選択は、私が目標に近づくための一歩だったと思っています。

採用する側として、未経験者をどう見ているか

「介護経験者」と「未経験者」、同じ人柄なら採用側はどちらを選ぶと思いますか。

私は、未経験者を選びます。理由は、介護経験者ほど、

介護に対して独自のこだわりを持っていることが多く、

それが強すぎると、修正が非常に難しくなる

からです。経験が長い方ほど、その傾向は強くなります。

一方、未経験者は介護のキャンバスがまっさらな状態です。異業種からの視点を

持っているぶん、柔軟性があります。育成次第で、今後の事業所を担う人材に

なってくれる可能性を感じています。

「未経験だから」ではなく、話し方に表れる傾向

失敗しやすいかどうかは、実は「経験者か未経験者か」よりも、

話し方の傾向に表れることが多いというのが実感です。

人の話をよく聞き、物腰柔らかい口調で話す方は、

失敗が少なく、利用者様にも安心感を与える傾向があります。

逆に、人の話を聞かず早口で話す方は、失敗も多く、利用者様に不安を

与えてしまう印象があります。

未経験からの応募を考えている方は、経験の有無より、

普段の話し方・聞く姿勢を振り返ってみるのも一つの視点かもしれません。

未経験者が志望動機で書けること

未経験だからといって、書けることがないわけではありません。

私自身がそうだったように、「なぜこの仕事でなければならなかったのか」

という、自分自身の経験や気づきに基づいた理由があれば、それは十分に

説得力のある志望動機になります。

介護の経験がないことを引け目に感じる必要はありません。異業種での経験、

それまでの人生で気づいたこと、そこから「なぜ介護なのか」につながる

一本の線を、自分の言葉で書いてみてください。

まとめ:未経験は、むしろ武器になり得る

採用する側の実感として、未経験であること自体は、決してマイナスではありません。

まっさらな視点と、柔軟性は、この業界にとって大きな価値になります。

志望動機の書き方に迷ったら、まずは「なぜ自分がこの仕事に興味を持ったのか」を、

正直に振り返ってみてください。

志望動機の書き方については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

執筆者

神野司(かみの つかさ)

関西で訪問介護事業所を13年間経営。法人代表・管理者・現場のすべてを経験。

詳しいプロフィールはこちら

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