「今の職場を辞めたい」と思ったとき、次に悩むのが「いつ辞めるか」です。
このタイミングを間違えると、損をすることがあります。
13年間、経営者として、そして自分自身も転職を経験してきた立場から、
退職のタイミングについて、実際に考えるべきポイントを
お伝えします。
辞めるべきタイミングは、理由によって変わる
まず大前提として、退職のタイミングは、
辞めたい理由によって大きく変わります。
人間関係でメンタルが弱っているなら、今すぐ辞めるべきです。
無理に引き延ばすことで、心の状態がさらに悪化するリスクの方が、
はるかに大きいと感じています。
一方、重要なポストに就いている場合は、話が変わります。
多くの人に迷惑をかけないよう、ある程度の期間を引き継ぎ期間として設け、
計画的に転職準備を進めることが望ましいです。
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神野司
私自身、事業所の管理者兼所長という重要なポストに就いていた際、
退職を決意してから、実際に辞めるまで1年間かけて引き継ぎを行いました。
立場上、それだけの期間が必要だったと思っています。
自分で言い出せない場合、退職代行という選択肢もある
「今すぐ辞めるべき」とお伝えしましたが、
メンタルが弱っている状態で、自分から退職を切り出すこと自体が、
大きな負担になる場合があります。
そうした場合、退職代行サービスを利用するという選択肢も
検討してよいと思います。事業者との間に第三者が入ることで、
直接顔を合わせずに退職の手続きを進められます。
「自分で言えないなんて情けない」と感じる必要はありません。
心が限界に近いときこそ、使える手段は遠慮なく使ってください。
見落としがちな「処遇改善交付金」との関係
計画的に退職時期を決める際、意外と見落とされがちなのが、
賞与(ボーナス)の支給時期です。
例えば、ボーナスが7月に支給される事業所であれば、
それを受け取ってから、8月末に退職するという考え方ができます。
シンプルに聞こえますが、介護業界では、ここに一つ注意すべき仕組みがあります。
多くの事業所では、賞与の一部または全部を「処遇改善交付金」という
補助金を財源にして支給しています。
この処遇改善交付金は、事業所ごとに支給計画(対象期間、支給時期)が
定められています。例えば、
「2月〜5月分の処遇改善金を7月に支給する」という計画の事業所で、
それ以前に退職してしまうと、その分が支払われないケースがあります。
つまり、「ボーナスをもらってから辞めよう」と考えていても、
実際の支給条件を事前に確認しておかないと、想定していた金額を
受け取れない可能性があるということです。
退職前に確認しておきたいこと
- 賞与の支給条件
- 処遇改善交付金を財源にしている場合、対象期間・支給時期・退職時の扱いを、就業規則や給与規定で確認する
- 引き継ぎに必要な期間
- 自分の役職・担当業務の重さに応じて、現実的な引き継ぎ期間を見積もる
- 就業規則上の退職予告期間
- 法律上は2週間前の申し出で足りるが、就業規則で1〜3か月前と定められていることが多い
まとめ:理由と条件、両方を見て決める
退職のタイミングは、「辞めたい理由」と「引き継ぎ・賞与といった現実的な条件」、
両方を天秤にかけて決めるものです。
特に、心が限界に近い場合は、条件よりも自分自身を優先してください。
そうでない場合は、事前に給与規定を確認し、損をしない退職時期を
計画的に選ぶことをおすすめします。
辞めたいと感じる理由そのものについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。

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- 執筆者
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神野司(かみの つかさ)
大阪で訪問介護事業所を13年間経営。2018〜2022年は東京の高齢者デイサービス代表も兼任し、大阪・東京両方で採用面接を50例以上経験。
