元・訪問介護事業所経営者が語る、現場のホンネ

訪問介護計画書の記入例|短期目標の書き方とサイン・ひな形

訪問介護計画書の記入例|短期目標の書き方とサイン・ひな形

訪問介護計画書の記入例は、状況と希望、目標、具体的なサービス内容の3つをケアプランに沿って書く形が基本です。作るのはサービス提供責任者で、利用者に説明して同意を得てから渡します。

この記事では、厚生労働省の基準(第24条)をもとに、訪問介護計画書の記入例を項目ごとに紹介します。ひな形・短期目標・サインの扱いと、入力用のツールを自作した筆者の経験もあわせて紹介します。

訪問介護計画書の記入例|書く項目と例文

訪問介護計画書の記入例として、書く項目は、利用者の状況と希望、援助の目標、具体的なサービス内容の3つが中心です。基準の第24条では、目標と、目標を達成するための具体的なサービスの内容を書くよう定めています。

項目 記入例
利用者の状況 要介護2。右ひざの痛みで、浴槽をまたぐときにふらつく。
本人・家族の希望 本人「自宅のお風呂に入り続けたい」。長女「転ばないか心配」。
長期目標 自宅の浴槽で、安心して入浴を続けられる。
短期目標 見守りがあれば、手すりを使って浴槽をまたげる。
サービス内容 身体介護(入浴介助)週2回・45分。洗身は本人、背中と足先を介助。
留意事項 入浴前に血圧と体調を確認する。床のぬれを拭いてから移動する。

この表は、訪問介護計画書の記入例の一つです。実際の計画書は、利用者ごとのアセスメントとケアプランに合わせて書いてください。

基準の出典は、e-Gov法令検索の指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準です。

訪問介護計画書のひな形と記入例

訪問介護計画書のひな形について、基準で決まっているのは書く中身で、決まった様式までは示されていません。自治体が、記入例つきのひな形を公開していることもあります。

筆者の事業所では、市町村がダウンロードで出しているひな形が使いにくく、入力用のツールを自作しました。

神野司

神野司

市町村のテンプレートは使い勝手が悪く、入力に時間がかかりました。そこで、VBAで入力と印刷ができるものを自分で作りました。

ひな形を選ぶときは、ケアプランの内容を写しやすいか、変更のときに書き直しやすいかを見ると、サ責の負担が減ります。

訪問介護計画書の短期目標の記入例

訪問介護計画書の短期目標の記入例は、「何が」「どこまで」できるようになるかを、利用者を主語にして書く形です。長期目標に近づくための、数か月ごとの段階として書きます。

伝わりにくい書き方 記入例
入浴の介助をする 見守りがあれば、手すりを使って浴槽をまたげる
家事を手伝う 週1回、ヘルパーと一緒に、自分で献立を決めて買い物リストを作れる
安全に過ごす 夜間に一人でトイレまで、つまずかずに歩ける

訪問介護計画書の記入例で「介助をする」と書くと、ヘルパーが主語になり、利用者の変化が見えません。期間は、ケアプランの短期目標の期間に合わせておくと、見直しの時期がそろいます。

訪問介護計画書のサインと記入例

訪問介護計画書のサインは、計画の内容を利用者や家族に説明し、利用者の同意を得たことを残すためのものです。基準の第24条で、説明と同意、利用者への交付が決まっています。

  • 内容を、利用者または家族に説明する
  • 利用者の同意を得る
  • 作成した計画書を、利用者に交付する
  • 計画を変えたときも、同じ手順をふむ

相手の承諾があれば、説明・同意・交付は、書面のかわりに電磁的な方法でも行えます(基準 第217条)。訪問介護計画書は、完結の日から2年間保存することも基準で決まっています(第39条)。

自治体の条例で、保存期間を長くしている場合もあります。指定を受けた自治体の決まりも確かめてください。

訪問介護計画書は誰が作成?記入例の前に確認

訪問介護計画書を作成するのは、サービス提供責任者です。ケアプランがすでにある場合は、その内容に沿って作ることが、基準で決まっています。

筆者の事業所でも、計画書はサ責が作っていました。サ責は計画書のほかに、利用者の状態の把握や、ヘルパーへの指示も担います。

サ責の仕事内容や、なるための資格は、次の記事にまとめています。

訪問介護計画書の記入例まとめ

訪問介護計画書の記入例は、状況と希望、目標、具体的なサービス内容をケアプランに沿って書く形です。作ったあとは、説明・同意・交付まで行って完成です。

  • 作るのはサ責。ケアプランに沿って書く
  • 書く中身は基準で決まっている。ひな形は自治体のものなどを使える
  • 短期目標は、利用者を主語にして書く
  • 説明と同意、交付は、電磁的な方法でもできる

計画書を書いたら、ケアプランの目標や期間とずれていないかを、もう一度見比べてみてください。

執筆者
神野司(かみの つかさ)
大阪で訪問介護事業所を13年間経営。2018〜2022年は東京の高齢者
デイサービス代表も兼任し、大阪・東京両方で採用面接を50例以上経験。
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