元・訪問介護事業所経営者が語る、現場のホンネ

介護職の賞与・退職金の実態|平均額と確認点

介護職の賞与・退職金の実態|平均額と確認点

介護職の賞与・退職金は、本当に出るのでしょうか。「介護職は給料が低い」というイメージから、不安に思う方は多いはずです。

この記事では、公的な調査データをもとに実態を整理します。私は訪問介護事業所を13年間経営し、採用面接を50例以上経験しました。その経験も踏まえて解説します。

介護職の賞与・退職金は出るのか

結論から言うと、賞与や退職金を支給する事業所は珍しくありません。ただし、支給額や制度の有無は、事業所ごとに差が大きいのが実情です。

介護職の賞与・退職金のうち、賞与の平均額

介護労働安定センターの令和4年度介護労働実態調査によると、賞与の平均支給額は資格ごとに差があります。社会福祉士は742,254円、介護福祉士は629,134円という結果です。

社会福祉士
平均賞与額 742,254円(令和4年度調査)
介護福祉士
平均賞与額 629,134円(令和4年度調査)

賞与の支給額は、事業所の経営状況で大きく変わります。正社員か非常勤かといった雇用形態でも変わります。上記はあくまで平均値です。すべての事業所や職員に当てはまる金額ではありません。

介護職の賞与・退職金のうち、退職金の実態

医療法人や社会福祉法人が運営する事業所は、退職金制度がある割合が比較的高い傾向があります。そのような調査結果が出ています。

ただし、この調査はやや古い時点のものです。法人形態や規模によって、制度の有無や支給水準には大きな差があります。

神野司

神野司

私が経営していた事業所の規模では、正直なところ、独自の退職金制度を整備することは簡単ではありませんでした。中小規模の訪問介護事業所では、同じような状況のところも少なくないと思います。

介護職の賞与・退職金を面接で確認する点

「賞与あり」「退職金あり」と書かれていても、中身は事業所ごとに異なります。求人票や面接で、次の3点を確認しておきましょう。

  • 賞与の支給実績:「賞与あり」の記載だけでなく、直近の支給実績と支給月数を確認する
  • 退職金制度の有無と条件:勤続年数の条件(例:3年以上)と、企業型の制度か中小企業退職金共済(中退共)かを確認する
  • 雇用形態による違い:正社員のみが対象か、パートや登録ヘルパーも対象かを確認する
介護職の賞与・退職金を求人票で確認するイメージ

常勤ヘルパーと登録ヘルパーの待遇の違いは、以下の記事で解説しています。

介護職の賞与・退職金まとめ

次は、気になる求人の記載を一つずつ見直してみてください。賞与の支給月数と、退職金の対象条件を書き出すと比較しやすくなります。

面接では、支給実績を具体的に質問しましょう。複数の求人で回答を並べれば、待遇の違いが見えてきます。

執筆者
神野司(かみの つかさ)
大阪で訪問介護事業所を13年間経営。2018〜2022年は東京の高齢者デイサービス代表も兼任し、大阪・東京両方で採用面接を50例以上経験。
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