元・訪問介護事業所経営者が語る、現場のホンネ

訪問介護の2時間ルール|例外と合算の計算、重度訪問介護の扱い

訪問介護の2時間ルール|例外と合算の計算、重度訪問介護の扱い

訪問介護の2時間ルールは、訪問の間隔がおおむね2時間未満なら、2回の所要時間を合算して1回で算定する決まりです。1回の長い訪問を、細かく分けて算定することを防ぐためのルールです。

この記事では、厚生労働省の通知をもとに、2時間ルールの例外と合算の計算、重度訪問介護や訪問看護との関係を整理します。障害福祉の訪問介護を組んでいた筆者の経験も紹介します。

訪問介護の2時間ルールとは|2時間未満なら合算する

訪問介護の2時間ルールとは、訪問介護どうしの間隔がおおむね2時間未満のとき、所要時間を合算する決まりです。根拠は、厚生労働省の留意事項通知(老企第36号)にあります。

通知では、訪問介護は利用者の生活のリズムに合わせて提供するものだとしています。そのため、長い訪問介護を単に複数回に分けるのは、適切ではないとされています(出典:厚生労働省 老企第36号(抄))。

通知の言葉は「おおむね2時間」で、分単位の線引きまでは書かれていません。迷う組み方は、ケアマネジャーと相談のうえ、指定を受けた自治体に確認してください。

訪問介護の2時間ルールの例外

訪問介護の2時間ルールには、合算しなくてよい例外が3つあります。緊急時訪問介護加算、看取り期の利用者、条件を満たす20分未満の身体介護です。

例外 内容
緊急時訪問介護加算 加算の対象の訪問と前後の訪問が2時間未満でも、合算せずにそれぞれ算定する
看取り期の利用者 医師が、医学的知見にもとづき回復の見込みがないと診断した人への訪問
頻回の20分未満の身体介護 定期巡回・随時対応型訪問介護看護の指定もあわせて受けた事業所などが、条件を満たす重度の利用者に行う場合

出典は、厚生労働省の老企第36号(抄)と、岡山市の留意事項の解説資料です。頻回の20分未満の身体介護は、体制の届け出も必要です。

訪問介護の2時間ルールと合算の計算

訪問介護の2時間ルールで合算すると、2回分の時間を足した1回の単位数になり、別々に算定するより少なくなることがあります。2024年度の身体介護中心型の単位数で、例を計算します。

組み方の例 算定のしかた 単位数
9:00〜9:25と10:30〜10:55(間隔1時間35分) 合算して50分=30分以上1時間未満 387単位
9:00〜9:25と12:00〜12:25(間隔2時間35分) 別々に25分=20分以上30分未満×2回 244単位×2=488単位

単位数は、鹿児島市の訪問介護の点検表に載っている身体介護中心型の単位数です。加算や地域区分は含めていません。

同じ内容のサービスでも、組み方しだいで訪問介護の2時間ルールの対象になります。計画を立てる段階で、前後の訪問との間隔を確かめておきましょう。

重度訪問介護の2時間ルール

重度訪問介護の2時間ルールは、厚生労働省の通知の中に、間隔を2時間空けるよう求める文言を筆者は確認できていません。重度訪問介護は、長い時間をかけて見守りを含めて支えるサービスで、訪問介護とは算定の考え方が違います。

民間の解説記事では、重度訪問介護には2時間ルールが適用されないと説明されています(例:介舟ファミリーのコラム)。ただし公的な資料での裏付けではないため、算定の前に指定を受けた自治体で確認してください。

障害福祉の居宅介護と移動支援を組み合わせた例

障害福祉の居宅介護にも、訪問介護の2時間ルールに近い間隔の考え方があります。厚生労働省の居宅介護サービスコード表(2012年4月)には、間隔が2時間未満の場合のコードがあります。

筆者は、居宅介護と移動支援を組み合わせて、ヘルパーの空き時間をなくしていました。

神野司

神野司

身体介護1時間、移動支援3時間、また身体介護1時間、という組み方をしていました。当時は、それで問題になったことはありません。

この例では、2回の身体介護の間が3時間あり、2時間以上空いています。ただ、移動支援は市町村の事業で、組み合わせ方のルールは自治体ごとに違います。今の取り扱いは、指定を受けた市町村に確かめてください。

訪問介護と訪問看護の2時間ルール

訪問介護と訪問看護の2時間ルールは別々で、訪問介護と訪問看護の間は、訪問介護の2時間ルールで合算する対象になりません。訪問介護の通知の文言は「前回提供した指定訪問介護から」で、訪問介護どうしの間隔を見るものです。

たとえば、訪問介護のすぐあとに訪問看護が入っても、訪問介護の2時間ルールの対象にはなりません。訪問看護の算定には訪問看護のルールがあるため、組み方は訪問看護の事業所とも確認しておきましょう。

訪問介護の2時間ルールまとめ

訪問介護の2時間ルールは、訪問介護どうしの間隔がおおむね2時間未満のとき、所要時間を合算する決まりです。例外と、サービスの種類による違いを押さえておくと、返戻を防ぎやすくなります。

  • 2時間未満の間隔なら、所要時間を合算して1回で算定する
  • 緊急時訪問介護加算、看取り期、頻回の20分未満の身体介護は例外
  • 重度訪問介護は、2時間の間隔を求める公的な文言を確認できていない
  • 訪問介護と訪問看護の間は合算しない

判断に迷う組み方は、計画を立てる前に、ケアマネジャーや自治体に確認しておくと安心です。

執筆者
神野司(かみの つかさ)
大阪で訪問介護事業所を13年間経営。2018〜2022年は東京の高齢者
デイサービス代表も兼任し、大阪・東京両方で採用面接を50例以上経験。
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