訪問介護の人員基準は、訪問介護員等2.5人以上、サ責は利用者40人ごとに1人以上、常勤の管理者1人です。訪問介護員等は常勤換算で数えます。根拠は、厚生労働省の「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」第5条・第6条です。
この記事では、サ責の人数の数え方と、人員基準を満たさないときの扱いを、条文にもとづいて整理します。運営基準と重度訪問介護の人員基準もあわせて説明します。大阪でサ責1人体制の事業所を運営していた筆者の経験も紹介します。
訪問介護の人員基準|3つの職種と人数
訪問介護の人員基準で置く職種は、訪問介護員等・サービス提供責任者・管理者の3つです。それぞれの人数は、次の表のとおりです。
| 職種 | 人員基準 |
|---|---|
| 訪問介護員等 | 常勤換算で2.5人以上 |
| サービス提供責任者 | 利用者40人ごとに1人以上(常勤の訪問介護員等から選ぶ) |
| 管理者 | 常勤で、専らその職務に従事する人を1人 |
出典は、e-Gov法令検索の指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準です。実際の基準は、この省令をもとに都道府県などの条例で定められています。
管理者は、管理に支障がなければ、同じ事業所のほかの職務や、ほかの事業所・施設の職務を兼ねられます。
訪問介護の人員基準|サ責の人数の数え方
訪問介護の人員基準で、サ責の人数は、利用者の数が40人、またはその端数を増すごとに1人以上です。利用者の数は、前の3か月の平均で数えます。
| 利用者の数(前3か月の平均) | 必要なサ責の人数 |
|---|---|
| 1〜40人 | 1人以上 |
| 41〜80人 | 2人以上 |
| 81〜120人 | 3人以上 |
例外として、50人ごとに1人以上にできる事業所もあります。常勤のサ責が3人以上いて、サ責の業務を主に行う人が1人以上おり、業務が効率的に行われている場合です。
新しく指定を受けるときは、利用者の数を見込みの数で計算します。サ責になれる資格や、介護保険と障害福祉の違いは、次の記事にまとめています。
サービス提供責任者の資格要件|介護保険と障害福祉の違い
carejoblink.com
訪問介護の人員基準違反になったとき
訪問介護の人員基準違反になると、都道府県知事から、基準を満たすよう勧告を受けることがあります。勧告に従わない場合は公表や命令の対象になり、指定の取消しや効力の停止もありえます。
| 段階 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 勧告 | 期限を決めて、基準を満たすよう求められる | 介護保険法 第76条の2 |
| 公表・命令 | 期限内に従わないと公表、正当な理由なく従わないと命令 | 同上 |
| 指定の取消し等 | 人員の基準を満たせなくなったときなど | 介護保険法 第77条 |
出典は、e-Gov法令検索の介護保険法です。急な退職でサ責が足りなくなりそうなときは、早めに指定権者へ相談しておきましょう。
筆者の大阪の事業所では、介護保険の訪問介護も障害福祉のサービスも提供していました。居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護と移動支援です。
神野司
訪問介護の人員基準と運営基準
訪問介護の人員基準とあわせて守るのが運営基準で、同じ省令の第8条から第39条に定められています。サービスの説明と同意、計画の作成、記録の保存などが含まれます。
主な項目は、次のとおりです。
- 内容及び手続の説明及び同意(第8条)、提供拒否の禁止(第9条)
- サービスの提供の記録(第19条)、訪問介護計画の作成(第24条)
- 運営規程(第29条)、勤務体制の確保等(第30条)
- 業務継続計画の策定等(第30条の2)、虐待の防止(第37条の2)
- 苦情処理(第36条)、事故発生時の対応(第37条)、記録の整備(第39条)
運営規程には、従業者の職種・員数・職務の内容を書くことになっています。人員が変わったときは、運営規程と届け出の内容も合わせて見直してください。
重度訪問介護の人員基準
重度訪問介護の人員基準は、訪問介護の人員基準と同じく、従業者を常勤換算で2.5人以上置き、常勤の管理者を1人置きます。サ責は「事業の規模に応じて1人以上」です。
根拠は、障害福祉サービスの基準を定めた指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準の第5条・第6条です。第7条で、重度訪問介護にも準用されています。
居宅介護や同行援護などと一緒に運営している場合は、それらをあわせた事業の規模でサ責の人数を考えます。規模ごとの具体的な人数は、指定を受けた自治体の案内で確かめてください。
訪問介護の人員基準まとめ
訪問介護の人員基準は、訪問介護員等2.5人以上、サ責は利用者40人ごとに1人以上、常勤の管理者1人です。利用者が増えたときにサ責の人数が足りるかを、毎月確かめることが大切です。
- 訪問介護員等は常勤換算で2.5人以上
- サ責は利用者40人ごとに1人以上(条件を満たせば50人ごと)
- 利用者の数は前3か月の平均で数える
- 人員基準違反は、勧告・命令・指定の取消し等の対象になる
人員に変更があったときは、運営規程と届け出もあわせて確認しておきましょう。
- 執筆者
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神野司(かみの つかさ)
大阪で訪問介護事業所を13年間経営。2018〜2022年は東京の高齢者
デイサービス代表も兼任し、大阪・東京両方で採用面接を50例以上経験。
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