「介護職 志望動機 書き方」で検索すると、たくさんの例文サイトが見つかります。
ただ、そこに書かれた「模範解答」をそのまま真似ても、実は逆効果になることがあります。
私は13年間、採用する側として、数えきれないほどの志望動機を読んできました。
その経験から言えるのは、「よく見る言い回し」の中にも、採用側に響くものと、
むしろ警戒されてしまうものがあるということです。
この記事では、実際にあった傾向をもとに、何を書けば伝わるのか、
何を書くと逆効果なのかを、できるだけ具体的にお伝えします。
「かわいいから好き」という動機について、正直に思うこと
志望動機の中には、「高齢者や障害のある方の仕草や見た目が可愛くて、
この仕事を選びました」という趣旨のものが、一定数あります。
正直にお伝えすると、私はこの手の動機で来られた方に対して、
長年の経験則から「注意が必要かもしれない」と感じてきました。
神野司
言葉から感じるものは、それとは少し違う何かでした。これが私自身の思い込みなのか、
本当に注意すべき傾向なのか、確信を持って言い切れるわけではありません。ただ、
長年この仕事をしてきた実感として、心のどこかに引っかかるものがあったのは事実です。
もし今、これに近い気持ちで介護職を志望しているなら、一度立ち止まって、
「可愛いから」の先にある言葉を考えてみてください。
例えば、「その方の尊厳を大切にしたい」「その方らしい生活を支えたい」
という視点が加わると、同じ「好き」という気持ちでも、まったく違う伝わり方をします。
介護は、対象を庇護する仕事ではなく、対等な人として支える仕事だからです。
前職も介護職だった方の志望動機で、気をつけたいこと
志望動機として非常に多いのが、「前職も介護職だったが、人間関係がうまくいかず転職を考えている」
というものです。これ自体は、決して悪い動機ではありません。
ただし、面接の中で前職の悪口を延々と話してしまう方は、
採用後も同じ理由でつまずくケースが多いというのが、私の実感です。
こうした方は、残念ながらトラブルメーカーになってしまうことも少なくありませんでした。
人間関係が理由での転職自体は自然なことですが、
それをどう語るかで、印象は大きく変わります。
前職への不満を伝えるとしても、「なぜそうなったと考えているか」「次はどうしたいか」
まで自分の言葉で語れると、同じ経験でも受け取られ方がまったく違います。
待遇への不満は、実は前向きに書ける
同じ「前職も介護職」というケースでも、辞めた理由が待遇面(主に給与)
という方には、少し違う傾向を感じてきました。
給与を上げたいという動機の裏には、自身のスキルを
高めていきたいという目標を持っている方が多いというのが、私が採用してきた実感です。
こうした方は、実際に採用することが多かったです。
神野司
少なくありませんでした。事業所としては人手が抜けるので複雑な気持ちもありますが、
その方自身のキャリアとしては喜ばしいことだと思っています。
つまり、「給与が理由」という動機は、書き方次第で決して弱い動機ではありません。
「なぜ給与を上げたいのか」「そのために何を身につけたいのか」まで
書けると、成長意欲として前向きに伝わります。
「生活のため」は、弱い動機ではありません
一見、志望動機として弱そうに見えるのが「生活のため」という理由です。
語弊を恐れずに言うと、自身のスキル向上をあまり
前面に出さない分、こうした方は長く働き続けてくれる傾向がありました。
採用する側からすると、これは決して悪いことではなく、むしろ安定して長く働いてくれる
という意味で、事業所にとって好都合な面もあります。
「生活のため」という理由に引け目を感じる必要はありません。それも立派な動機です。
無理にスキルアップや夢を語ろうとせず、正直に伝えることの方が、
かえって信頼につながることもあります。
結局、採用する側が一番見ているもの
ここまでいくつかのパターンをお伝えしてきましたが、
最終的に一番見ているのは「向上心があるかどうか」です。
たとえその結果、スキルを身につけて早めに独立していくことになったとしても、
何事に対しても向上心を持っている方の志望動機であれば、
私は採用したいと考えてきました。
短く働くか、長く働くかよりも、その人が今、何に向かって進もうとしているか
が、志望動機を通して一番伝わってほしいことです。
まとめ:志望動機は「気持ち」より「その先」を書く
「好きだから」「人間関係が理由で」「生活のため」——どの動機も、それ自体が
間違っているわけではありません。大切なのは、その気持ちの、もう一歩先
を自分の言葉で書けるかどうかです。
まずは自分がなぜこの仕事を選ぼうとしているのか、正直に振り返るところから始めてみてください。
面接本番で気をつけたいポイントについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。
介護職の転職面接で見られているポイント|元経営者の本音
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- 執筆者
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神野司(かみの つかさ)
関西で訪問介護事業所を13年間経営。法人代表・管理者・現場のすべてを経験。
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